Berryz工房 vs Berryz工房

行けない行けない、と書いていましたが、いろいろな経緯があってゲネプロの18日と千秋楽朝公演を観劇してきました。
かなり楽しめる内容でしたよ。
DVDが今後発売されるでしょうが、時間の都合などで池袋に来られなかった方も、是非ご覧になっていただきたい作品だと思います。


で、ここから先はmen's6なりの感想を。
当然ネタバレありですので、DVD待ちの方はお控えください。


ゲキハロは第2回目の寝る子はキュートから4回連続で観劇しています。
第1回の江戸から着信?!は観ていないのですが、今回の作品過去の作品の中でもかなり上位に値するのではないでょうか。
演技力という点では、メンバーの設定が実物とほとんど同じということで、気楽に演じている印象です。かえってロボットになりきった時の無機質な雰囲気が、嗣永さんと須藤さんから恐怖を感じさせました。


内容は舞台ならではの、空間と時間を計算高く構成した、四次元な造り。すべての言動があちこちでリンクしていて、目が離せません。また、各キャラクターを綿密にかつ的確に捉え、最大限の生かし方をしているとも感じました。
やはり特筆すべき存在は、脚本・演出・そして出演の楠本柊生“元帥”ですかね。こういった構成は大人の麦茶塩田泰造氏とも通じるモノがあります。また元帥は舞台と客席を密着させる接着剤役として、時には観客を温めまた時には展開の説明をし、今作品においてウエイトのかなり重いところをサラリとやり遂げたところが素晴らしかったと思います。


また、初舞台となった仙石みなみさんも、かなり重要な役どころを担っていました。感情を持たないロボットが夢を持ち、その情熱を元帥の野望によってねじ曲げられ、儚く燃え尽きてしまう。でも、あの復活のシーンは感動的でした。この活躍は、モーニング・タウン第二部「時給720円!青春見習い中」での、こちらも初舞台だった紺野あさ美さんの如く存在感溢れる“準主役”をこなしていました。


今回の主役的役割は嗣永桃子さん。彼女の家族・そして行動をほぼ共にする熊井さんと菅谷さんを中心に話は展開していきます。他の4人はあまり大きな活躍は無いのですが、いなければ話が進展しないんですよね。各メンバーのインタビューも個々人のキャラを生かしたいかにも「言いそう」な台詞でしたし。


で、ストーリーから邪推すること。
この物語では、8人組のBerryS工房がワールドツアーを開幕するところから始まります。でもここに登場するメンバーは、実は全員ロボット。でもそれは舞台が終盤に来るまで分からないことです。
元々7人だったメンバーに、BerryS工房を自分の星に連れて帰ろうとする元帥が自作ロボットを送り込みます。巧くメンバーの一員としてとけ込めたP-1059号は、センゴクちゃんとして8人目のメンバーに。しかし元帥は各メンバーのダミーロボットを造り、メンバーと入れ替えて強奪しようと画策します。センゴクちゃんもメンバーと共にワールドツアーを成功させようと奮闘するあまり、自分の耐久力を越えてしまう。それに気付いた本物のメンバーは、必死に彼女を救い出そうとするが…。
あらすじはこんな感じです。
でもやはり引っかかるのは「8人目のメンバー」ですかね。
ご存じの通り、デビュー当時のBerryz工房は8人組でした。その後石村舞波さんが卒業し、現在の7人組で活動している訳です。そこにフィクションとは言え新メンバー加入。かねてから観ているファンにはどう映ったのでしょうか。同様のことは寝るキューでの“亡霊”がやはり脱退メンバー・村上愛さんをダブらせるという話題を思い出させます。
こういったユニットの歴史を踏まえた上での構成を楠本氏は狙ったのでしょうか。
確かに8人組の時リリースした「ピリリと行こう!」を舞台上の核ソングにし、石村さんのパートを仙石さんが違和感なくこなしています。


彼女は一生懸命頑張った。そして燃え尽きた。でも、奇跡を信じていれば彼女は帰ってくる。
現実はどうなるのでしょうか。


また、この物語ではロボットによる仕事のすげ替え・決まった受け答えのインタビュー・過酷なスケジュールというアイドルという仕事へのアンチテーゼが存分に含まれています。それを舞台の展開を利用してぶっ壊そうとしているのが、演じている彼女たちにどう感じられたのかも気になりますね。
もちろん最後は自分たちのステージを取り戻す為に走り出し、ステージの成功を祈るセンゴクちゃんに同調していくのですが…。


他にも見どころは沢山あるのですが、舞台を生で観れたからこそ楽しめたところも多々あるので、ストーリー的にちょっと振り返ってみたりも。
ちなみに僕はBEとHAPPY! Stand Upは初聴きだったのですが、いい曲ですね。千秋楽には「ありがとう!おともだち。」も特別に披露されました。